Feb 16, 2025
念願のマニラに来ています! 不思議にアウェー感がない。

辺りを見回すと親族と同じ顔の人たちがあちこちにいるんだからアウェー感なくて当然よな。さっきも真裏のテーブルに叔母さんと従妹にそっくりの親子が。
マイナー言語を勉強してるとだいたいどこかで「私はいったい何をしているのだろう」と思う瞬間がなくはないんだが、タガログ語に関しては一度もなく、特に気に入ったわけでもないのに規定の分量の教材を二巡も復習した腰の入り様。自分も実際フィリピンの血を引いていることから、初めて当事者意識が。
いつもは「○○○語しゃべってみちゃったりなんかしちゃって」と物見遊山程度の気持ちだったのが、今度ばかりは「フィリピンは私を一員と認めてくれるのだろうか」ぐらいの深刻さがある。
Manam


初日の夕食は間違いなさそうな Manam という有名店。全料理にS/M/Lのサイズ展開があり、1皿500円程度から頼めるので調子こいていろいろ注文。18:30到着で14組待ちだったが、待つ価値あるしメニューがたくさんあるのでまた来たい。

手裏剣のような断面のシカクマメに、にんにくの効いたココナッツミルクのグレービーがかかった Gising gising。クセになる味で止まらない! これ日本で食べれなそうで悲しい。

本場一発目のチキン&ポークのアドボ、略してCPA。美味い、けどまだ実家のアドボのほうが美味いぞ!(お決まり発言)

お父さんに食べてごらんと言われた pancit palabok。卵感の強いパッタイみたいな。店のおすすめは揚げ麺タイプだったが、定番は茹で麺らしいのでまずはこれで。ちょっとぼやけた味でもう少し薬味が欲しいかも。後日、カンファレンス会場のケータリングで出たもののほうが美味しかった。
牛肉とスイカの sinigang もお店のおすすめで、しっかりとした酸味と旨味がまさにアジアンスープの真骨頂という感じ。これが1000円以下で出てくるなんて、この国も高級店行く意味ないかも……。


レモングラスと camias という酸っぱい瓜(?)のフローズンドリンク。最高! そして300円でとんでもない量。
Feb 17, 2025
マニラはベルリンやアムステルダム以上に英語だけでどうにかなる街っぽい。サイネージなんかもほぼ全部英語。 サブコピーとかがたまにタガログ語になってるので、基礎理解が役に立つとしてもそれぐらい。ちゃんぽんで適当に話す感じは、インター育ちの人間には馴染み深い。


タイのカノムを彷彿とさせる、お米やココナッツベースのお菓子がずらり。甘さも適度でもちもちした食感のものが多く、東洋人にはとっても馴染む〜。あまりに魅力的で朝っぱらから甘いものを食べ過ぎて夜まで引きずる、あぁ……。

Champorado というフィリピンのチョコ粥! 「フィリピン人はご飯に甘いコーヒーをかけて食べる」などと幼少期から家族に聞いていたのでチョコ粥にはそこまで驚かなかったが、トッピングとしてココナッツやウベなどと一緒に《小魚の佃煮》をのせていて衝撃! これが食べれただけで1日の撮れ高バッチリ。
味は、チョコクリスピーに牛乳を注いでレンジでチンしたものに小魚の佃煮を入れたものをイメージしていただければ。
Jollibee


事前にメニューを研究しつくし、万全の準備で臨んだ初 Jollibee。まずはノーマルのフライドチキンセット。グレイビーがついてくるのは米国風でありながら、なんとバーガーの包み紙のなかにはご飯が! そのまま手で食べれて天才!と思ったんだけど周りをみたらみんな普通にカトラリーで食べてた。
味はやはり美味しく、近隣諸国では日本のフライドチキンがいちばん低レベルであることがほぼ確定。

そしてこちらが Yumburger という、マクドナルドのベーシックなハンバーガーに相当する商品。ビッグマックソース的なものとパティだけのシンプルな構成だが、パティの味がつなぎっぽく、かなりモスバーガーに似ている。意外。
普通にヴェネチアありますね。


リアルト橋とかも全部ありますね。
昔のデパートの屋上にあったやつみたいなのの変なクリーチャー版を大人が乗り回せる場所があります、たまらん…….。


「たまらん」(tama lang) はタガログ語で「ちょうどいい」という意味ですが、ここでは「最高」という意味の日本語として使っています(誰への補足)。
BGCは表参道みたいなエリアかと思いきや、なんだか別の既視感。これは……名古屋の栄か??



人生で初めて抱いた感情「ここに駐輪したい」


筍より少し柔らかい食感の ubod(ヤシの新芽)を巻いた fresh lumpiang ubod。タイの生春巻きよりも生地の卵感が強くてクレープ寄り。みたらし団子のタレ(似てるとかでなくあのタレそのものなのでこのまま言い切る)とガーリックウォーター(!)がコンディメントとして添えられています。

Feb 18, 2025
タイに行けばマンゴー食べ放題ぐらいに思ったのに、実際行ったら完熟マンゴーは向こうでも少し高級品で朝食ビュッフェに並ぶようなものではなかった。

が、フィリピンに来てついに、めちゃうま完熟マンゴーが水のように湧き出て毎朝ビュッフェに並んでる! これがフィリピンパイセンの底力。

フィリピン版チキンヌードルスープの sopas。第一感バター風味で、レシピを調べると無糖練乳で仕上げているらしく、米国版よりもクリーミーな美味しさです。ほっこり〜。

雨宿りで急いで入ったテキトーな喫茶店でまさかのめちゃうまディッシュを強運で引き当てた。ガーリックの効いた longganisa という手作り感のある粗挽きソーセージを、少しピリッとしたお酢で食べる朝食メニューらしい。上等なビストロで出てきてもちょっと驚くレベルのうまさ。
断続的な豪雨で、雨の九份ぐらい風情がアップしていた Fort Santiago。同行者が事前に歴史を少し学んでいたので説明してもらえて嬉しかった。日本軍の残虐行為などもしっかり記録されています。




この周辺エリアは Intramuros という旧市街で、建築好きにはマストです。
Intramuros にある Manila Cathedral。中の美術がスペイン風でサグラダファミリアを思い出すかっこよさだった。ああ早くがっつりスペインを巡りたい!(美術は全く無知なので全然違ったらごめんなさい)

南国だからか服装規定はゆるくて、タンクトップや短パンで入ってる人もいました。

スペインとロシアアバンギャルドを掛け合わせたようなモニュメントがかっこよすぎるんだが?!


狙って行ったのに初回のJollibeeでは売り切れてて買えなかったピーチマンゴーパイを2軒目で購入成功。食べてるうちにしっかりマンゴーの味がしてきて大満足! サイズも適度。

ここにきてやっと、油っこそうなフィリピン料理の代表格(?)sizzling sisig に挑戦。コーンビーフを豚肉で作って油っぽくした感じ……? これが正解なのかわからないけどちょっと苦手だった。本当はもう少し酸味とか辛味があるのではないかという予感だけはする。
Feb 19, 2025
黄色いお粥 arroz caldo。ほんのりにんにくと生姜が効いていて、鶏出汁だからコクもあってとっても美味しいお食事粥。朝ご飯だけにはもったいない。黄色はサフランだそう。

Toyo Eatery

奇跡的に予約が取れた Toyo Eatery。ここを見つけた瞬間もうこれ以上探す必要ないなと思ったぐらい、いかにもどストライクな店。普通のテイスティングメニューもあるが、今回はなんとバナナの葉を敷いてすべて手づかみで食べる伝統的な Kamayan 形式。





いろんな魚の乾き物と一緒にご飯を食べるところとか、手づかみとはいえ日本の食文化とも遠く離れてない感じがなんとも嬉しかった。

バナナの葉で包んで火にかけたデザートは、バンコクで感動した蝋燭燻しの高級カノムと似ていてめちゃくちゃ好きだった。
Asia’s Best Restaurants に載ってる系で行ったなかでは抜群に接客がよく、友達の家にお呼ばれしたような雰囲気で楽しめて、客層も外国人観光客ばかりという感じではなくタガログ語を話しているテーブルがほとんどだった。後日会った地元民の食通もここが第一選択だと言ってたので、そうなんでしょう。


Feb 20, 2025

お母さんがたまにこれ作ってた気がする!

全部のせみたいな巨大ハロハロ食べれた。ミニストップのハロハロも食べたことないのにィ〜。

変な部位の肉が苦手なので不安だったけどどうしても食べてみたかった kare kare。カレーに見えるけどじつはピーナッツソースで、全然辛くない。いやどう転んでも美味しいでしょこれは。

Feb 21, 2025
絹豆腐に黒蜜をかけて食べる taho。こんな豆花みたいな食べ物がフィリピンにもあるんだ? 甘さはかなり控えめでペロリといけます。

Hapag

初対面のデザイナー衆に急きょ誘われた Hapag という店のテイスティング。これ系の店は久しぶり。





「これ系の店」とは「伝統的な◯◯料理をフレンチ再解釈した、インバウンド値付けの店」なんだけど、観光客として毎回感じる難点としては、その伝統的な現地料理をそもそも知らないので口頭で説明されたとて再解釈を楽しむ文脈が全然足りてないのよ。和食の再解釈とかならすごくわかるんですが。
この日は西ビサヤ地方の料理にインスパイアされた内容らしく、最後は主菜とご飯が大皿で出てきてみんなで取り分ける salo-salo スタイル。魚がココナッツミルクとレモングラスで味付けされてて、初めて食べる美味しさだった。


私が誘われてないだけかもしれんがエンジニア衆がこういう会合を開いてるのを聞いたことがないので、デザイナー衆は出張先で自腹切ってこんなことをしてたのかと。ありがたい。

Feb 22, 2025
最終日は体調を崩してどこにも行けなかったが、その代わりにホテルからすごい国際花火大会が見れた(この日はフランスvs中国)。



部屋でManamのデリバリー。初めてスタンダードな sinigan を注文し一口食べると、初めて口にしたとは思えない、なぜかものすごく懐かしい味が。お母さんに確認すると、なんと子供の頃たまに作ってくれていたようだ。
顕在記憶にはないのにしっかり身体に刻まれている味覚メモリーに感動してしまった。
ここまで自分事に感じた旅は初めて。ほかの言語よりも本腰で学んだタガログ語は当たり前のように通じ、思ったより使う場面もたくさんあったので本当に甲斐があった。幼少期にちゃんと食育を施されてたことも改めて気づけて、今まで特に感じることはなかったフィリピン部分のアイデンティティをこの歳になって獲得できて感慨深い。
— Adapted from my posts on Twitter